『スキップ』

微妙
もうちょっと時かけ的なSF要素があるのかと思ってた
割ともっと葛藤するかと思ったら案外すぐ順応してがっかり
4月から教師の仕事始まるからって普通やらないだろ
俺ならまず自分の空白の時の話を聞いて
その後絶対まず高校の友達に会おうとするだろ
そして教師となった後の毎回伝えたいテーマを決めて授業するってのは共感できるけど
言葉のおもしろさについての授業はウザいだろ
そして何あのいい生徒たち
台本があるかのような合いの手
これはいただけなかったな
結局今を大事に生きろみたいなメッセージで終わりかあ
しかも空白の時間とかいたずら電話の犯人とか新田君との関係とか謎がのこったし
時々時代的についてけないネタがいくつかあと北村さんの気取ったような表現がちょっと
単純にこんだけ一気に歳とるのはやだなあ
行った未来がニートだったら絶望だよな
結局なにやっても後悔しそうだけどな

p67
「わたしのモットーは《嫌だからやろう》なの」
「《嫌だから》?」
「うん、それを心掛けているの。だって、楽しいことなら、すいすい出来るわけでしょう。何ということはない。大事なのは、嫌なことが目の前に出て来た時。そういう時は、自分で掛け声をかけてしまうのよ。そうすれば大概のことは出来る」

p243
「構えないように。自然に行動しよう。自分がしたいように動く。桜木真理子だったら、ベテランの先生だったら、こうするんじゃないか―そんなことは考えないでいい。分からないことがあったら、ごまかさない。人にどう思われたっていい。その場ですぐに聞こう。そして、身につけよう。―学校は一つじゃない。それぞれの学校が、全く違った別の世界なんだ。あちらで通用することが、こちらでは笑い話になる。そういったものだ。まず自分のいる世界をつかみなさい。それから、勿論、自分をつかみなさい。百人の先生がいれば、これも百通り。同じ先生なんていやしない。それでいいんだよ。自分が、どんな先生なのかを見つけてごらん」

p254
この四十七人の前に立つと、言葉が、妙にすらりと口から出た。
「桜木真理子です」

p286
「そこにあるのは素材でしょう。素材を通して、何を伝えたいのか。読むのはそのためだもの。―だからね、先生は、伝えたいことをちゃんと持って教室のドアから入ってくるべきだと思うの。簡単に言おうね。つまり、こちらに立つわたしとしては、《話したいことがないのに話すというのは辛い》と、こういうことです。それを必ず持ってきたいと思います」

p328
「だとすると、プライドっていうのが、我々を動かす力の代表かなって思っちゃいます。それを満足させる道って、本当は多様な筈ですよね。ところが、学校っていうシステムが、日本中に行きわたり過ぎちゃった。大勢が同じゲームをやってる。だから、価値観がそこに偏っちゃう。それが辛いんだなあ。そんなのは、わたしのゲームじゃないっていう人がいっぱいいる筈ですよね。でも、そこで、うまくいかないと、プライドが傷つかざるを得ないようなところがあるでしょう。―一つのゲーム、一つのルールだけが支配的だっていうのは、ええと、―横暴だと思うなあ」

p396
「顧問の尾白先生に呼ばれて、《おまえから、バレー取ったら何が残る》っていわれて、《わたしが残ります》って返事して、たたかれたそうです」

p532
「―気持ちを理屈で封じ込めろというんですか」
「理屈じゃないわ」
「じゃあ何です?」
わたしは新田君を見た。
「事実でよ」