『星の王子様』

サン=テグジュペリ
河野万里子訳

まあまあ
独特の世界観だよなあ

1.王さまの星
2.大物気どりの男の星
3.酒びたりの男の星
4.実業家の星
5.点灯人の星
6.地理学者の星
7.地球

「大切なことは、目に見えない。」っていうセリフは重力ピエロを思い出した
4番目の実業家の話はいつか爆問学問で太田が言ってた千両みかんの話を思い出した
数字だけに気を取られてほんとうに大切なものがわかってないっていう
キツネとの友達の話は共感できた
かけがいのない人と他人との関係

訳者あとがきは見るべき
著者の背景を知った上で読むとよりおもしろい
バラの花が婚約したコンスエロという女性がモデルとか
実際キツネを飼っていたとか
実際飛行機を操縦していたとか
色々参考になった

p99
「『なつく』って、どういうこと?」
「それはね、『絆を結ぶ』ということだよ…」

「きみはまだ、ぼくにとっては、ほかの十万の男の子となにも変わらない男の子だ。だからぼくは、べつにきみがいなくてもいい。きみも、べつにぼくがいなくてもいい。きみにとってもぼくは、ほかの十万のキツネとなんの変わりもない。でも、もしきみがぼくをなつかせたら、ぼくらは互いに、なくてはならない存在になる。きみはぼくにとって、世界でひとりだけの人になる。ぼくもきみにとって、世界で一匹だけのキツネになる…」

p121
「地球の人たちって」と王子さまが言った
「ひとつの庭園に、五千もバラを植えてるよ…それなのに、さがしているものを見つけられない…」
「見つけられないね」僕は答えた…
「だけどそれは、たった一輪のバラや、ほんの少しの水のなかに、あるのかもしれないよね…」
「ほんとうだね」僕は答えた。
王子さまは言いたした。
「でも目では見えないんだ。心でさがさなくちゃ」

p155
前述したように、王子さまは作者の分身と考えることができるし、砂漠に不時着しているパイロットもまた、作者の分身であるはずだ。するとこれは、おとなであるパイロットが、〈小さな男の子だったころの〉自分自身と対話している話とも読むことができるのかもしれない。