『車輪の国、向日葵の少女』

おもしろかった

世界観がまずおもしろい
独特だよなあ
まあ現実的に見ちゃうと義務の監視だったり特別高等人の権限だったり強制収容所の実態だったり子供への義務の教育だったり
現実的には実現不可能なんだろうけど
まあフィクションとしては発想はおもしろい


ルート分岐はほぼないに等しい
個別ルートいらないだろもはや
エロもいらないし
キャラもそこまで愛着持てなかったな
まあマナとお姉ちゃんがまあ気に入ってるくらい


あと不満なのはいい加減主人公が万能な設定はやめてほしい
Routesといいこんにゃくといい主人公万能すぎるから話もいくらでも飛躍出来ちゃうんだもんな
どっちかっていうと媚肉の香りの主人公みたいになにか魅力的だけどそこまで強くない人がいい


音楽はいい
若本さんがかっこよすぎる
途中のお姉ちゃんのどんでん返しは嫌いじゃない
エロゲ独特の表現だよなあ
ever17でもみられたようなこういう独特な技法はすごくワクワクする

ギャグや会話はあいかわらずつまらない

SwanSongと少し共通する部分もあるよな
SwanSongは運命とか逆境とかに精いっぱい抵抗する
車輪の国は社会とか人のうねりとかに抵抗する
車輪の方がより形が具体的かな

ファンディスクもやりたいな

「いわれたことしかできない人間を三流」
「いわれたことを上手にできる人間で、ようやく二流」
「森田はいつになったら一流になるんだ?」

「いま、さちは、後で思い返して、あのときがんばってよかったって思える時間を作ってるんだ」
「えてしてそういうひと時は、誰の力も借りれない、孤独な努力だったりする」

「三日以内だ。人に決断させられない人間は、人の上にたてんぞ」

「世の中は、たとえどんな社会でも、知識と教養があって、決断力と行動力があるような、頭のいい人たちが支配してるんでしょう?」
「私のような頭の悪い人は、ずっと利用されて生きるんでしょう?」
「でも、気付かなければ、幸せだから……そういった頭のいいひとたちに、いっつも責任を取ってもらえれば、すっごい楽ちんだから……」

「どちらかを選ぶと、選ばれなかったもう一方が悲しむというのなら……」
「世の中が、いつもそうやって、理不尽な選択を迫ってくるというのなら……仕方がないことだって、知ったふうに大人面するような社会なら……」
「私は、一生子供でいい!」

灯花は親を選べなかったのではない。
選ばないという選択肢を、選んだのだ。

「お前らはそうやって、すぐ、わかりやすい悪に飛びつく。いつでも誰かに責任を取ってもらおうとする」
「国が、資格が、こんな特許が、親が、信頼する友人がこう言ったから……すぐ、安心し、思考を停止する。そのくせ、裏切られたときには、豚のようにわめき散らす」

「夏が来て、暑くなって、少しだけ雨が降って、田んぼは青々しくて、風が吹くと緑の匂いがして、ケンちゃんみたいな友達がいて……なんにも変わらないけれど、それだけでもいいんだよ」
「上手く言えないけど、楽しいことなんて、たくさん転がってて、気持ちいいことは簡単に見つけられて、笑い声はどこからでも聞こえて来るんだよ」

「復讐を、国が代わりに行なおうとする、絶対的応報刑論。犯罪者をつるし上げ、見せしめとする相対的応報刑論。そして、犯罪者を教育する教
育刑論」

「そういうウンチク好きの神経質な知識人が法律を作ったから、刑罰がここまで細かくなったんだ。個人の時間の使い方や自由な恋愛まで国が監視している」
「経営の世界でもそうですが、ある程度のおおざっぱさは必要ですよ?」
「規律を厳しくして、国家が個人に対して干渉しすぎる社会は死にますよ。だから、日本って国は戦争に負けたんです」

守破離はわかるか?」
指導者に教えを受ける場合は、順序があり『守』の段階では、指導者に言われたことを形式通りにこなし、慣れてきたらある程度『破』ってみる、そして最後には『離』れていく。

「獲物は決して逃がすな。何があっても、喰らいつけ」
「し、しかし、どこをどう探しても見当たらない場合も……」
「地球は、丸いのだ」

「お前の胸に金色のバッジがついたとき、お前はきっと気づく。社会には、人のうねりには勝てないのだと。世の中には、どうあがいても覆せない理があるのだと」

「私は、大学で学んだことを基礎に、この七年で学んだの」
「社会の破り方を」
「こうやって瞳を閉じて、誰かを想うの」
「世の中なんて自分の見方一つで地獄にも天国にもなるわ。でも基本的には弱いから、いつでもその眼差しを自分だけに向けてしまうの」
「だから、瞳を閉じるの?」
「弱い自分を見ないように、ね」
「瞳を閉じた世界には、ルールも規則もないわ。身体っていう枠すら超えて、空を飛ぶことも、地の果てまで歩くこともできるでしょう?」
「フフ……だから、誰かを想うの。現実逃避じゃないの。あの人に向かって進むんだっていう意志を持つの。それは、言葉にはできない、圧倒的な力」

「つらい過去を見る瞳には、自分だけしか映らないわ。それは、弱さの証でしかないのだから」

「弱さという種に、暴力という水をじっくりと撒いて、慎重に、花を愛でるように、時間をかけてゆっくりと、貴様らを更生させてやる」

「『夏咲のためにも』とか、『お前のためにも』とかね…誰かのためにって口に出すのは、なんか変だなって」
「うーん、本当に誰かのためって考えている人は、きっと、そういうのを口に出さないと思うんだよぉ……」

あのCM思い出したわ
あなたのためだからってやつ