『家族八景』

すごくおもしろかった
名作

父と子が同じ女と寝てるようなうわべだけの家族
それぞれの不潔さに気づかないでいる大家族
若くいようと行動する妻とそれを否定する夫
無職の祖父とそれを疎ましく思う家族たち
浮気をしている夫と体裁を気にする妻
お互い隣の夫婦の異性に恋している夫婦たち
金のならない絵を描く画家とそれを疎む家族
ザコンの夫とそれを疎む妻

題名もまた逸品

無風地帯
澱の呪縛
青春讃歌
水蜜桃
紅蓮菩薩
芝生は緑
日曜画家
亡母渇仰

人の心を読めるというありがちな設定からよくここまでの作品を作り上げることができたなあ
人間の本音と建前っていうのがよくわかる
続編もあるみたいで
「七瀬ふたたび」というらしい
読みたいけどなんか超能力者対決みたいな感じらしいからどうしようかな
おれはこういう日常のなかの一幕を描いてほしいな
普通に七瀬が会社に就職したらとか


きっと結婚できないんだろうな
どれだけ人の汚い部分を見て来たんだろう
自己正当化のやつばっかだもんな
もしお互い恋に落ちても一瞬でもなんかいやな考えが読み取れたらきっとうまくいかないもんな
七瀬が結婚できるようなラブストーリーを考えてほしいなあ


心を読むといって初めに思い出したのは幽々白書のあいつ
右ストレートでブッ飛ばされた奴
こう考えるとあいつも色々傷つくことになるんだろうな


でも逆に思っちゃうのはそんな人の心って簡単に何か一つのことを読みとれたり言語化してるのかなってとこ
もし心を読んでもそんなあまり考えてなくて頭ん中じゃ言語化もしてない状態もよくありそうだけど

新婚当初の夫婦のとこの女中になって欲しいな
あとは結婚式の手伝いとかしてほしい
新婚さんは何を考えてるんだろう
幸せだなあとか玉の輿ラッキーとかか
その中でドロドロの感情を見つけたらおもしろい展開になりそう

本音と建前が横行してるこの世の中で
この設定はいろんなおもしろい話が作れそうだよなあ

p29
直観力のすぐれた女性はすべて、その鋭さを隠して、たとえうわべだけにせよ家庭の平和を維持するため、自ら軽蔑され無視されるような精神構造を持つ必要があるのだろうか。そうしてこそ、最も利口な妻といえるのではないだろうか。

p58
心の中だけで他人を批判して自分を納得させている寿郎が我慢ならなかったのである。

p146
彼女の倫理にとって、正常な人間たちの「願望」と「実行」の間には大きな隔たりを認めることができなかった。