『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』

フィリップ・K・ディック

おもしろかった
設定がすごい
第三次世界大戦後の死の灰にまみれた地球
多くの人は火星へ移住し、放射性物質におかされ生殖を許されなくなったスペシャルと物好きな人しか地球にはいない
マーサー教がはやり、共感(エンパシー)ボックスで共感し、情調(ムード)オルガンで感情を操作し、バスター・フレンドリーと仲よし仲間というテレビ番組が流行っている
ほぼ絶滅している動物を飼っていることがステータスになり、高額で取引され、飼っていることを装うために電気動物が作られている
火星から脱走したアンドロイドを捕え懸賞金を得ようとバウンティハンターのリックが挑む

こういう発想は天才なんだろうな
人間とアンドロイドの区別が感情移入で区別するのはすごいと思う


キップル
グレシャムの悪貨の法則
エリザベートシュワルツコップ
ロッテ・レーマン
リーザ・デラ・カーザ
わが人生は愛とよろこび ヨーゼフ・シュトラウス


p182
「もしわれわれが、いま動物をそうしているように、アンドロイドを感情移入対象の枠内へ含めたとしたら?」
「われわれは自衛できなくなる」

p249
「あなたを心から愛しているわ」とレイチェル。「もし、どこかの部屋であなたの生皮を貼ったソファーにでくわしたら、きっとわたしはフォークト=カンプフ検査で最強反応を示すわよ」

このセリフやばい かっこよすぎる

p319
ディックにおいて、人間とアンドロイドの生物学上の、あるいは自然科学上の区別は、全く無意味である。親切な存在はすべからく「人間」であり、それ以外は人間ではない。ここで彼が、この非人間的性質の比喩としてのみ、「アンドロイド」を持ち出していることを失念してはならない。デッィクは、「アンドロイド」と「人間」の形式上の区別には関心がない。コピーも原物も、親切であればすべて本物である。