『終末のフール』

伊坂幸太郎

まあおもしろかった
伊坂さんのは読みやすいんだけど何か軽いから印象に残りにくいんだよな
あくまで日常における人の姿書いてるからそれでいいんだろうけど
もし八年で世界滅びるって言われてもたぶん俺は変わらない気がするけどどうなんだろ
牧野由衣のもどかしい世界を思い出した
冬眠のガールの四年間かけて父親の本二千冊を読んだっていうのは単純にうらやましかった
その発想をもったその女の子とも話したいし
やらねばリストを作っているのも同じだし
演劇のオールは家族計画を思い出したな
伊坂さんの面白いとこは小惑星が人の意志によって動いてるっていう考え方
誰かがみんな死んじゃえって思ったから小惑星が落ちてくるとかお腹の中の子供を諦めたらとか
生き残るってのはゴキブリのこととも掛けてるのかな

娘が出て行ってしまった老夫婦
優柔不断な夫と妊娠中の妻
アナウンサーに復讐しようとする兄弟
やらなければならないことを紙に書いて実行しようと恋人を探す女性
ジムで練習するチャンピオンと会長と練習生
妻を殺され自殺しようとする男性とその友達の天体オタク
大切な人を亡くした人達の側でその人の代わりを演じる元役者の女性
屋上にやぐらを作っている父親とレンタルビデオ屋の店長とその家族


好きなのは冬眠のガールと深海のポールかな

p220
「明日死ぬとしたら、生き方が変わるんですか?」
「あなたの今の生き方は、どれくらい生きるつもりの生き方なんですか?」

p338
「死に物狂いで生きるのは、権利じゃなくて、義務だ」

p365
「生き残るっていうのはさ、あんな風に理路整然とさ、『選ぶ』とか、『選ばれる条件』とか、そういうんじゃなくて、もっと必死なもののような気がするんだ」
「じたばたして、足搔いて、もがいて。いきのこるってそういうのだよ、きっとさ」

p371
「死んでも死なない、死んでも死なない」