『ビタミンF』

重松清

まあまあ

重松さんと思考回路が似てるんだよな
すごく共感できる
この本のテーマはたぶんp343で言ってることだろうな
まだこの気持ちはわからないけどどうなんだろう
あとp50のは共感でき過ぎてヤバい
俺が親になったら絶対言わないようにしようと思ってた一言
あと「だから言ったじゃん」とか「やると思った」って言葉
よく言われてすごく嫌な気持ちになった
よかったんだけどストーリーがそれぞれ印象に残らないんだよな
やっぱり長編読みたいな

もし近くに不良少年がいたら
もし母親が入院して息子が気弱だったら
もし娘がチャラ男に遊ばれ夫婦ともに初めての相手でなかったら
もし自分の娘がイジめられてると知ったら
もし初めての恋人が気になりまくったら
もし親として理解してると思ってた娘が引きこもったら
もし熟年離婚自分の母親が帰ってくるかもしれないとしたら


自分でもきっとうまく対応できない気がするな
ここにもきっとお手本も答えもないんだろう

p50
倒れたキックボードを拾い上げて、「おとなになればわかるよ、おまえにも」と言った。洋輔はさらにふてくされた顔になり、雅夫も、ガキの頃にはそういう言葉を吐くおとながいちばん嫌いだったんだよな、と苦笑いを浮かべる。

p114
お手本を探した。父親として、こういうときはどんな態度や行動をとるべきか。ドラマや映画やマンガや小説に出てきた父親たちの姿を思い浮かべ、どこにも生身の人間がいないことに気づいて、そういうところがだめなんだよ、と布団の中で頭をかきむしったのだった。

p166
「いじめは悪いことだけど、誰かを嫌いになるのって個人の自由じゃん。『いじめをやめろ』とは言えるけど、『あの子を嫌いになるな』なんて言えないでしょ」

p231
だが、テレビの画面からふと目を離し、家族を眺め渡した瞬間、不意に思った。
俺の人生は、これか―。
なーんだ、と拍子抜けするような。
ちぇっ、と舌を打ちたくなるような。
といって、いまさらやり直しはきかない。
そんな人生を自分は生きているのだと、達也はその時初めて気付いたのだった。

p340
「のう、翔ちゃん、お父ちゃんに教えてやらんといかんもんなあ。お母ちゃんにはボクがついとるけんだいじょうぶやで、心配いらんで、て」

p343
「家庭っていうのは、みんながそこから出ていきたい場所なんだよ。俺はそう思う。みんなが帰りたい場所なんじゃない。逆だよ。どこの家でも、家族のみんな、大なり小なりそこから出ていきたがってるんだ。幸せとか、そういうの関係なくな」

「拓己くんは、みんなが帰りたがってる場所を帰りたがってる場所を家庭だと思ってるんだよな。だから不倫する奴や、離婚しちゃう奴の気持ちがわからないんだ。そうだろ?」

「じゃあ、なんできみは自分の育った家を出ていったんだ?きみが東京でつくったたいせつな家庭って、ここにあった家庭から出ていったからつくれたんじゃないのか?」