『空の中』

有川浩
おもしろかった

高度2万で出会う謎の生物【白鯨】と事故で落下したその一部「フェイク」
瞬と佳江
光稀と高巳
そして宮じいや真帆

集団の概念を持たず何事も論理的に片づけようとする【白鯨】と高巳との会話
フィクションだけど起こりうる様々な事件がすごく細かい描写で描かれてて面白かった
だけどすごいべたべたな恋愛の感じ
いかにもラノベっぽさ
これはどうもいらないんじゃないか?

自分は間違ってしまった人間だから佳江にふれる資格はないという心理描写が少し分かりにくかったかな
宮じいかっこよすぎる
どうしても俺の顧問の先生を思い出す
歳も相まってすごく言うことに説得力があるんだよな
しかも大体正しいし
そういうおじいちゃんになりたいものだ




p357
大人に「友達になってやってほしい」なんて根回ししてほしいほど、高校生にもなった子供はプライドが低くない―ということを、大人になるともう思い出せないのだろうか。

p417
「瞬はお父さんのことが大好きやったんです。お父さんが亡くなったこと認めたくないくらいお父さんのことが好きやったんです。お父さんが亡くなったこと、八つ当たりしやすいところに八つ当たりしやすいもんがおって、八つ当たりしたらそれは瞬が悪いがやろうか」
「いい悪いで言えば悪いんだろうけど、瞬くんに悪いと言えるのは、瞬くんと同じ目に遭ったときに八つ当たりしないでいられる人だけだと思う」