『向日葵の咲かない夏』

まあまあ

p443
「誰だって、そうじゃないか」
「僕だけじゃない。誰だって、自分の物語の中にいるじゃないか。自分だけの物語の中に。その物語はいつだって、何かを隠そうとしてるし、何かを忘れようとしてるじゃないか」
「みんな同じなんだ。僕だけじゃない。自分がやったことを、ぜんぶそのまま受け入れて生きていける人なんていない。どこにもいない。失敗をぜんぶ後悔したり、取り返しのつかないことをぜんぶ取り返そうとしたり、そんなことをやってたら生きていけっこない。だからみんな物語をつくるんだ。昨日はこんなことをした、今日はこんなことをしてるって、思い込んで生きてる。見たくないところは見ないようにして、見たいところはしっかりと憶え込んで。みんなそうなんだ。僕はみんなと同じことをやっただけなんだ。僕だけじゃないんだ。誰だってそうなんだ」

これがテーマだと思うんだけどあんまよく伝わらなかったな
なんかこのメッセージより裏をかこう裏をかこうというのが見えて
結局最後はややこしくなっちゃってるし
しかもそれを主人公が指摘してるっていう
ってことは作者自体ぐちゃぐちゃになっちゃったのを認めてるようなもんじゃないか

ミカが違うんだろうなっていうのは予想がついた
3歳児があんな感じなわけないだろう
まあ小説独特の技法だよな

このメッセージをもっと強めたいなら
主人公がもっと自分の妄想に浸ってその主人公の物語を追い詰めて破たんさせる第三者が要るよなあ
あんま鳥肌はたたなかった

結局S君の作文とは何だったのか
S君と主人公の関係を表してるのかな


たぶん生まれ変わりでしゃべってる動物たちはすべて主人公の妄想ってことでいいんだよね
発想はおもしろいけどな
あんま右往左往してほしくなかった