『ノルウェイの森 上・下』

村上春樹

普通

なんでそんな評価高いのかな
考え方としては共感できるのが何個かあったな
世の中をゲーム感覚で考える感じとか大学の奴らが自分を大きく見せようとしてる感じとか人生の幸不幸が半々で不幸の後には幸福が来るっていう考えとか
洋書の雰囲気を日本語で表現してるって言う意味では独特の感じ
こんな素敵な出会いがあればいいけど

トルーマン・カポーティ
ジョン・アップダイク
スコット・フィッツジェラルド
レイモンド・チャンドラー
バルザック
ダンテ
ジョセフ・コンラッド
ディッケンズ
ディア・ハート ヘンリー・マンシーニ
ジョセフ。コンラッドのロード・ジム
新宿 DUG


p48
死は生の対極としてではなく、その一部として存在している。

p103
「そうだよ。ゲームみたいなもんさ。俺には権力欲とか金銭欲とかいうものは殆んどない。本当だよ。俺は下らん身勝手な男かもしれないけど、そういうものはびっくりするくらいないんだ。いわば無私無欲の人間だよ。ただ好奇心があるだけなんだ。そして広いタフな世界で自分の力を試してみたいんだ」

P108
この連中の真の敵は国家権力ではなく想像力の欠如だろうと僕は思った。

p138
「いいよ、わかったよ。つきあうよ、君に」
「一緒に死んでくれるの?」と緑は目をかがやかせて言った。
「まさか。危なくなったら僕は逃げるよ。死にたいんなら君が一人で死ねばいいさ」
「冷たいのね」
「昼飯をごちそうしてもらったくらいで一緒に死ぬわけにはいかないよ。夕食ならともかくさ」

p196
『今日は北極熊がお星様を食べたから明日は雨だ!』

p236
「たぶん私たち、世の中に借りを返さなくちゃならなかったからよ」
「成長の辛さのようなものをね。私たちは支払うべき時に代価を支払わなかったから、そのつけが今まわってきてるのよ。だからキズキ君はああなっちゃたし、今私はこうしてここにいるのよ。私たちは無人島で育った裸の子供たちのようなものだったのよ。おなかがすけばバナナを食べ、淋しくなれば二人で抱きあって眠ったの。でもそんなこといつまでもつづかないわ。私たちはどんどん大きくなっていくし、社会の中に出ていかなくちゃならないし。だからあなたは私たちにとっては重要な存在だったのよ。あなたは私たちと外の世界を結ぶリンクのような意味を持っていたのよ。私たちはあなたを仲介にして外の世界にうまく同化しようと私たちなりに努力していたのよ。結局はうまくいかなかったけれど」

p68
「でもこの大学の連中は殆んどインチキよ。みんな自分が何かをわかってないことを人に知られるのが怖くってしようがなくてビクビクして暮らしてるのよ。それでみんな同じような本を読んで、みんな同じような言葉ふりまわして、ジョン・コルトレーン聴いたりパゾリーニの映画見たりして感動してるのよ。」

p209
「人生はビスケットの缶だと思えばいいのよ」
「ビスケットの缶にいろんなビスケットがつまってて、好きなのとあまり好きじゃないのがあるでしょ?それで先に好きなのどんどん食べちゃうと、あとあまり好きじゃないのばっかり残るわよね。私、辛いことがあるといつもそう思うのよ。今これをやっとくとあとになって楽になるって。人生はビスケットの缶なんだって」

p231
「どうして?」
「あなた頭おかしいんじゃないの?英語の仮定法がわかって、数列が理解できて、マルクスが読めて、なんでそんなことわかんないのよ?なんでそんなこと訊くのよ?なんでそんなこと女の子に言わせるのよ?彼よりあなたの方が好きだからにきまってるでしょ。」