『しゃぼん玉』

乃南アサ

まあまあ

ベタだけどよかった
不良少年がおばあさんにあって構成する話
ばあさんの息子と自分の父を重ねる演出はうまかった
こういう強制力がほしいわ
どこまでも引っ張ってくれる
主人公の言う朝リセットの法則はわかるわ
こんないい出会いがあるといいな
女 単純すぎ きもっ

白い色は恋人の色
ゆうべの秘密
ブルー・シャトウ


p156
この何年か、いつもそうなのだ。予備校も、学校も、アルバイトも。パチスロ通いさえ。せっかく行き始めても次の日になると、何ともいえず嫌な気分になってしまう。
どうしてなのか、自分でもわからなかった。本当に、最初は張り切っているのだ。今度こそ続けよう、続けられそうだと、心の底から思うのだ。それなのに翌朝になると、もう気分が変わっている。すべてが馬鹿馬鹿しくて、面倒くさくて、何をやってもうまくいかないような気がしてしまう。その結果、翔人は何もかも放り出してきた。その度に惨めな気分にもなるし、腹立たしくも思うのだが、翔人の中で「もうイヤだ」という声がするのだから、どうしようもなかった。その声がしたら、やめるより仕方がないのだ。結局、翔人はそういう人間なのだ。

p213
要するに、どこに住んでたってさ、思うように生きられるガキなんて、そうそういるはずねえってことだよ。

p244
これまでの人生の中で、どれか一つでも思い通りに、自分の力でどうにかできることがあっただろうか。

p297
「しょうがねえことも、あるにゃあ、ある。だが、それと、どうでもよくなるっちゅうとは、別もんばい」