『セックスボランティア』

河合香織

まあまあ
たしかに盲点であったし、よく取材してあるけど
俺にはそもそもボランティアの必要性が疑問でしかなかった
最終的に性とは何かみたいな抽象化するのもいいし、調べてくうちにそうなってしまうのもしょうがないけど
もうちょい限定してほしかった
言ってることは五体不満足の周りの人やその人が障害って思わなきゃ障害じゃないってのに似てる
結局 掲示板使ったり風俗に行ったりする積極性があればセックスできてるし、
ボランティアにする意味あんのか
障害者じゃないからわからないし、なりたくもないし、無責任なことしか言えないけど
扱いとしては完全に動けないは別に不細工とそんな変わんない気がしてしまった
オランダでは「セックスボランティア」という仕組みが自治体の援助を受けて、組織化されているという

車椅子で夜明けのコーヒー
サロゲートパートナー療法
商業的売春、社会的売春、代理恋人療法
愛したい愛されたい〜障害者のセックス

p29
作家の水上勉が、生まれたばかりの自分の子どもが障害を持っていたことから、「社会の障害者観が変わらないのであれば、重度の障害者は出生直後に安楽死させた方がいいのではないか」

p102
「あ、だけどね、私が知っている限りひとつだけ世界共通の手話があるんだよ!」
ユリナちゃんは親指と人差し指と小指をたてた。親指がI。親指と人差し指でL。人差し指と小指がYを指す。
「アイラブユー」

p231
「葵にはみんな必ず『よかったね』って言うんです。何がよかったんだとって思う。私に対してはきまって『えらいね』って。別にえらくないのに」

p237
「確かに、葵を抱えたり、おしっこさせたりすることもあるけど、でも、それはたいしたことではないし、特別なことでもありません。私は機械に弱くて、ビデオの操作ができないんだけど、彼がしてくれる。それとおんなじです」

p251
「セックスは両脚の間(下半身)にあるものだが、セクシュアリティは両耳の間(大脳)にあるものだ」

p134
「女性はセックスの『ボランティア』という言葉だけで傷つくものです」

p157
優生保護法は不良の子孫の出生を防止する目的として一九四八年に作られた法律である。遺伝性の精神疾患や顕著な遺伝性身体疾患に加え、遺伝性ではない精神障害者知的障害者にも本人の同意なしで生殖機能を断つことができるというないようになっていた。
「一九五三年に出された厚生省のガイドラインでは、審査に基づく優生手術は、本人の意に反しても行うことができ、やむを得ない場合は、拘束しても、麻酔を使っても、騙してもいいと明示されていた。とんでもない内容です。この法律は九六年に改正されましたが、長い歴史の中で積み重ねられてきたマイナスイメージを払拭することは容易なことではありません。したがって、優生保護法が改正されてもなお、障害者は子どもを作ることすら認められないという現状があるのです。」

p183
彼の話を聞きながら、私は日本における障害者の性介助の現状うぃ考えていた。日本での試みの大きな問題点はふたつある。ひとつはセックスの介助をする人材が少ないということ、もうひとつは、性の介助を通して発生する感情的なトラブルだ。
(中略)
「愛と性欲を区別する必要なんてないんだ。恋愛感情は病気じゃないよ。それを受け止めて、対処する方法は必ずあるはずだから」