『犬憑きさん 上・下』

唐辺葉介

おもしろかった

テーマは一貫している 妖怪、幽霊、呪術とは
上p346 p351一つにはシュレディンガーの猫的解釈 妖怪とかいる世界と普通の人がいる世界は並列してて観察者がいないから混ざっている状態 だからふとしたきっかけで境界を超えたりしてしまう 典子・真琴説 オカルト的

下p119一つには妄想の感染現象の一種「フォリアドゥ」空想や感情は条件次第で他者に感染する 他人を自分の感情に引きずり込む 御門説 科学的

憑き物の遺伝しやすさ
真琴のマークが見えなくなった現象
歩の犬神が見えたときの経緯
終始どちらとも取れる感じに書いてある
御門が理論的に解明しようとする側


作者的にはどちらかというと科学よりかな
歩の「見えたままでしあわせになれた人を私は知らない」のセリフとかマークのセリフ的に
憑き物もある意味多重人格の一種だな

でも完全には否定していないところがいいところ
それもp351で「観察者が現れたら始めからなかったかのようにもう一つの世界は消えてしまう それはさびしい」的なことを言ってるのでそういう否定はしないという考えなのかな

マークのモデルがまさか「星の王子様」のキツネだとは
p404の「俺たちは得をしたのさ。小麦色の分だけ」ってセリフも引用だね かっこいい


俺が買った後もamazon値段高騰しすぎだろ 俺の時も下巻は1500円ぐらいした