『紫色のクオリア』
おもしろかった
ニンゲンがロボットに見えるゆかり
そのゆかりが殺された運命を変えようと
ゆかりに直された左手の能力を使って時間・時空を超える学
その中で自分の運命は自分でしか決められない
クオリアを理解していく
途中でシュレディンガーとか世界を渡りあるいて観測されないものになるとかの設定がいかにもラノベ臭くて嫌だったが
最後はきれいにまとまってよかった
結局、他人の価値観に理解するのはすごく難しいよね
クオリアって言葉好きだわ
実際、ゆかりが人を修理しているのはどんな感じか見てみたいな
哲学的クオリア
逆転クオリア
P=NP理論
超大統一理論
ジョウント
アルフレッド・ベスター
白黒の部屋の中のメアリー
タ世界解釈
コペンハーゲン解釈
パイロット解釈
フェルマーの原理
p104
ゆかりには、ニンンゲンがロボットに見えてしまうように、あたしにも、ニンゲンは人間にしか見えない
p124
とこであなたは、クオリア、という言葉をご存知だろうか。
感覚質、と訳されることもあるそれは、ようするに、『頭の中で生まれる感じ』のことである。赤色の、赤い、というあの『感じ』、青色の、紫色の、あの『感じ』―同じ色を見ても、人によって、状況によって、受け取り方は同じではなく様々となる―その『感じ』をクオリアと呼ぶらしい。
p205
さあ、トライ&エラーをはじめよう。
p208
あたしの運命はあたしだけのもので、ガクちゃんの運命はガクちゃんだけのもの―きっと、そういうことなんだと思う
『獄窓記』
山本譲司著
おもしろかった
「累犯障害者」と同じ作者
塀の中での障害者の話だけだと思ってたけど、逮捕されるまでの話や塀の中での外でのスキャンダル騒ぎの話などの政治の話もあっておもしろかった
いかにマスコミがいい加減かも分かる
秘書給与問題っていうグレーゾーンで見事起訴され、世間の政治不信の風潮によって実刑1年6か月って怖すぎだろ
でも、十数年来の友人にリークされたりしたら立ち直れないわ
いい経験になるからって控訴せず、服役したけどすぐに厳しい刑務所生活で嫌になるところは笑った
よく知らなかったけど、辻元とか田中真紀子とかで騒がれてたのはこの秘書給与問題だったんだ
その後、障害者の服役者が働く工場やその生活の管理をするところに移され、そこでの経験が「累犯障害者」につながったのか
そこで刑務所の実態と制度の乖離を実感する
この人も結構沸点低かったり、説明が理屈っぽくなるのは政治家気質だなあってなった
現在はホームヘルパー兼ジャーナリストとして活躍中らしい
人の一寸我が一尺
ゼノンの逆説
p329
「俺、時々、思うことがあるんだ。自分らもさ、収容者と同じように、塀の中で管理されているんじゃないかってね」
(中略)
看守たちも、塀の中の住人だった、
p365
喜びを人に分かつと、喜びは二倍になり、苦しみを人に分かつと、苦しみは半分になる。
ドイツの詩人、ティートゲの言葉である、
『海と毒薬』
遠藤周作著
おもしろかった
『沈黙』と同じ作者
日本版「罪と罰」って感じ
ただそれだけじゃなく登場人物の過去編のエピソードの質が高い
海外だったら神への信仰心から罪の意識にさいなまれるが、
日本だったらどうなるかをよく描き出している
いわゆる「罪の文化」と「恥の文化」
結局最後も「世間の罰」だけでは何も変わらないと言っている
戸田の最後に本当に大事な万年筆をあげるシーンが好き
この人の作品は人間の内面を抉り出すから好き
続編たぶん裁判で裁かれるまでを描こうとしていたらしいけど打ち切ったみたい 残念
ゲイリイ・クーパア
p78
「神というものはあるのかなあ」
「神?」
「なんや、まあヘンな話やけど、こう、人間は自分を押しながすものからものから―運命というんやろが、どうしても脱れられんやろ。そういうものから自由にしてくれるものを神とよぶならばや」
「さあ、俺にはわからん」火口の消えた煙草を机の上にのせて勝呂は答えた。「俺には神があっても、なくてもどうでもいいんや」
「そやけれど、おばはんも一種、お前の神みたいなものやったのかもしれんなあ」
「ああ」
p120
あの作文の時間も、蝶を盗んだことも、その罰を山口になすりつけたことも、従姉と姦通したことも、そしてミツとの出来ごとも醜悪だとは思っている。だが醜悪だと思うことと苦しむことは別の問題だ。
p123
「ええ」とぼくは答えた。答えたというより呟いた。
『アイアンマン:エクストリミス 』
微妙
アイアンマン3の原作となった作品
そもそも俺は3より2の方が好き
あとやっぱり映画のスピード感とロバート・ダウニー・Jrの演技があってこそだなって思った
3みたいにポーズでアイアンマンになれたり、量産型を作ったりはしない
ただトニーも超人になるって言うね
これ作画はコンピューターとか使ってんのかな
こっちの方が鏡を直視できなかったり、兵器開発に関して重く取り扱っている印象
2の漫画版が欲しいけど邦訳がないっぽいし、原作だとどれがそうかわからん