『兎の眼』
おもしろかった
教師もので今まで一番良かった
ハエを飼ってる鉄三などの処理場の子どもたちと新任の小谷先生や足立先生との物語
そしてそれが大人たちにも影響を与えていく
欲を言えばもう少し小谷夫婦についても書いてほしかった
小学校にここまでいい先生があつまるのはないだろふつう
先生もいい職業だよなあ
p36
「きみは悪いことをしたと思ってあやまってるわけやあらへん。すきな先生がきて、なんやら、やめなさいというているらしい。地球の上でたったひとりかふたり残ったすきな人がやめとけというとる。しゃーないワ。きみの気持はそんなとこやろ」
p101
あいかわらず善財童子は美しい眼をしていた。ひとの眼というより、兎の眼だった。それはいのりをこめたように、ものを思うかのように、静かな光をたたえてやさしかった。
p181
「効果があればやる、効果がなければやらないという考え方は合理主義といえるでしょうが、これを人間の生き方にあてはめるのはまちがいです。この子どもたちは、ここでの毎日毎日が人生なのです。その人生をこの子どもたちなりに喜びをもって、充実して生きていくことが大切なのです。わたしたちの努力の目標もそこにあります。」
p280
そのとおりだ、こんな一年生の子どもでもわかっていることを、役所の人たちはどうして本気で考えてくれないのだろう、と小谷先生は思った。
p298
社会というものはひとりの人間のそんなべんりのためにあるもんじゃないんです